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翻訳支援ツールを使ってはいるけれど・・・・

Picography / Pixabay

こんにちは。KokoDoki Companyの藤原です。

ようやく春めいてきました。私が住んでいる地方では、冬の期間、晴れている日はほとんどなく、そのため、ご主人の転勤で一緒にこの地に来た奥様方が、「鬱」に近い状態になっていくという話はよく聞きます。

そんな土地ではありますが、急激に晴れの日が続くと、普段引きこもりで仕事をしている私としては、目が痛すぎて辛い・・・。

そんな藤原ですが、今回は、当講座のサポート付きコース受講生の方とお話していて、よく驚かれることについてちょっとお話してみたいと思います。

翻訳支援ツールを全案件に使ってはいるけれど、翻訳支援ツール上で翻訳しているわけではない

このサブタイトル通りです(笑)。
私、藤原は、高齢と言われる域に入ってきたこともあり、翻訳支援ツールのような狭い枠の中で訳出することなんてできません。

「翻訳支援ツール上で翻訳しているわけではありませんよ」と伝えると、「え?どういうことですか?」と驚かれる方が多いです。

私の場合、Wordを使って、大きい画面で、フォント(表示)を大きくし、なるべく眉間にシワを寄せずに画面を見ることができるようにしています。

KDCで展開している3つの翻訳支援ツール(Trados、memoQ、Memsource)、いずれを取っても、これ1つあれば完璧というものではありません。Tradosのいいところもあれば、memoQのいいところもある。Memsourceなんて、無料で全機能を使うことができるなんて、ビックリ!ですよね。

でも、どのツールも、その枠内だけで作業をしようと思うと、結構ストレスがかかります。データ量の多い用語ベースや翻訳メモリを設定していると、ほんの一瞬間があくこともあります。それを待てないなんて、「イラチ」に過ぎないのですが、はい、その通り「イラチ」なんです、私。

上記のように、重いデータファイルを設定していると、自分が入力するキーボードのスピードに翻訳支援ツールがついてきてくれないので、違うセグメントにちょろっと入力されたりして、それを修正したりして・・・・わずかながらであっても、手間がかかります。

そんなことをするのであれば、Word上で訳出し、それを翻訳支援ツールのセグメントにコピペします。
なので、結局のところ、どの翻訳支援ツールを使用しても大差はないのです。

その中で、なぜTradosをメインで使用しているかというと、訳文に変更を加えたいときなど、フィルター機能や、ジャンプ機能が非常に有用であり、私にとっては非常に使いやすいものだからです。

私の場合、常に並行してエクセルも立ち上げているので、用語ベースに「追加」するよりは、エクセルに用語を貯めて、それを各翻訳支援ツール用に変換させるほうが早かったりもします。

とにかく、翻訳支援ツールの動きが重くならなように、落ちないように、機嫌よく動いてもらうように、必死です。

кот

「翻訳支援ツールのご機嫌を伺うってどういうこと?」と思われるかもしれませんが、残念ながら、こうしたツールの指定が主流になってきつつある現在は、それに対応せざるを得ないと思います。

なので、本講座の受講生の方で、質問をいただいた方には、これまでのその方々の翻訳方法を変えることをお薦めしているわけではありません。これまで、テキストエディタやワードを使って翻訳している方々は、その手法を続け、それに併行して翻訳支援ツール上でデータ化していけばいいというだけのことです。

後からデータ化するのは、非常に手間がかかります。アライメント機能で優れたものは現在もない状態ですよね。●万ワードのファイルを一瞬ですっきりすんなりアライメントできれば、苦労しないと思いますが。

ワードマクロやテキストエディタのマクロを使って、これまでガンガンお仕事されてきた方であれば、翻訳支援ツールの機嫌を伺いながら翻訳作業をするなんて、耐えられないかもしれません。

そういったマクロを得意とする方は、ご自身で色々な工夫ができるので、それをどんどん活用する方がストレスも少なくて、健全だと思います。

取引先が翻訳支援ツールを使用することを求めている場合には、最終納品形態として、その翻訳支援ツールに反映できていればいいだけの話であり、途中、Wordを使っていたとか、テキストエディタを使っていたとか、一切関係ないわけです。

エクセル上で翻訳だってします

これも極論ですが、実際にはエクセル上で翻訳しているわけではありません。

先日、1泊の予定で自宅から離れました。そのときに、普段使用しない、もう1台のPCを持っていったわけですが、1泊とは言え、日中の予定は決まっているので、それほどの量、翻訳できるわけではありません。

でも、その中で、できることは色々あります。これまで訳出したところのチェックだったり、もちろん若干の翻訳作業だったり。

ですが、そのためだけに、Tradosを立ち上げて作業するのも、なんだかなーという感じでした。

一時はハードに使っていたPCではありますが、現在メインで使っているPCに比べてすべてが遅いので、「イラチ」の私としては、数時間でもそのPCで作業することは苦痛です(苦笑)。ノートPCのキーボードも使いにくいし、かと言って、普段使っているキーボードを持っていくほどでもない。

そこで、エクセルの登場なわけです。エクセルで、対訳の状態でエクスポートしておいて、ワード上で翻訳したものをエクセル上に戻します。帰宅後、その箇所のみをメモリにして、翻訳対象のファイルに反映させてあげればいいだけです。

納品する際には、この時に使用したメモリをそのプロジェクトから削除してしまえばいいのです。

もちろん、バイリンガルファイル(word)でもこれは可能です。ただ、WordからTrados上にインポートすると、上手く行かないこともあったりするので、その不安をかき消すために、エクセル→メモリ化にしています。

このように、翻訳作業途中のものでも、エクセル化したりするのにもTradosは便利だったりします(エクセルにすると、「C列」にコメントが表示されます)。

さいごに

翻訳支援ツールは、便利です。マクロ等は、自分でどんどん応用できる人にとっては非常に便利なものですが、初心者にとっては、なかなかハードルが高い。

翻訳支援ツールも、ツール系が苦手な方にとっては、ハードルが高いことには変わりがありません。今後の翻訳者は、こういったIT知識と上手く付き合っていくことが求められていると思います。

また高齢化にともなって、こういったツールやマクロなどを上手く使える方が、身体にも優しいことは間違いありません。

「翻訳支援ツールを使ってる!」というだけで、その使い方ばかりに必死になっていると思われがちですが、必死になるのは、「原文の内容をいかに理解して、いかに翻訳していくか」であって、翻訳支援ツールの操作方法そのものではありません。

ただ、ツール系が苦手な方にとっては、当面の間、「操作方法」を覚えるのに必死になる必要があるわけですが、それでも絶対的に重要視しなければいけないのは、「訳文を作り上げる工程」です。思考停止していたら、そもそも翻訳作業なんてできるわけがありません。

自分で原稿を書いた場合には話が違うと思いますが。

KDCでは、「操作方法」の習得に費やす時間を少しでも少なくするお手伝いをしているだけです。1つの翻訳支援ツールで、翻訳作業に必要なすべてのことが足りているとは、まったく思っていません。

人間でスルーしがちなところを、あぶり出してくれれば、ラッキーぐらいのスタンスでしょうか。
当講座も「「操作方法」の習得に費やす時間を少しでも少なくするお手伝い」はできますが、実際に操作されるのはご本人です。操作するようにご本人を突き動かすための講座ではありません(理解しやすい。バックアップしてくれる人がいる。→だから使ってみようという気になった・・・というのは結果論としてあるとは思いますが)。

「無意識」にキーボードを操作できるようになるまでは、それなりの時間が必要なことは言うまでもありません。

兎にも角にも、
翻訳支援ツールは、「支援」するためのツールであって、それ1つでは決して万全ではないこと、
翻訳支援ツールを使っているからといって、すべての作業を翻訳支援ツール上で行う必要はないこと、

この点については、しっかり覚えておいてくださいね。
ついでに言えば、これまでに蓄積した翻訳メモリも用語ベースも、「絶対」ではありません。その案件によって、使い方も前後の文章も異なるので、1つ1つ吟味した上で反映するか否かを決定する必要があります。そのため、結局翻訳支援ツールで作業を進めるにあたって、翻訳メモリや用語ベースのデータがあった方が時間がかかる場合もあります。

これもすべてケース・バイ・ケースです。翻訳支援ツールに対して高いお金を払って、「万全じゃないってどういうこと?」と思われるかもしれませんが、残念ながらそれが現状です。

頑張って、使い倒すことで、確実に元は取れます。くれぐれもパソコンの肥やしにならないようにご注意ください。

追記:この手の話は、本サイトでも結構しています。ずっと読んでくださっている方にとっては、「またその話?」かもしれませんが、ただ、ある程度の周期で、この話はアップし続けていく必要があるなーと感じています。翻訳支援ツールを手に入れた、これだけでウホウホ・・・とはなりませんよって話。そんな話をリアルに色濃く聞くことができるのが、「サポートコース」です(←本記事を最後まで目を通してくださった方にのみお伝えしておきます(笑))。

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