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1.192018
翻訳支援ツール=翻訳メモリではない理由

こんにちは。KokoDoki Companyの藤原です。
新年が明けたのも気がつかぬうちに今年が始まり(年末年始で寝込んでしまっただけですが・・・・)、あっという間に1月も半分を過ぎてしまいました。
早速SDL社は、月の中旬以降、月末までのセール期間を始めていますね。今年も1年その流れでいくのでしょうか。
もう一層のこと、ベースの金額を下げてはくれませんでしょうか?
翻訳支援ツールのメリットは、翻訳メモリが蓄積される点ではない
新年早々、「え?」というタイトルを付けてしまいました。
すみません。
実は翻訳支援ツールを使うことを拒否っている方は、「結局翻訳メモリなんて、使えないから、翻訳支援ツール使うこと自体で効率アップにはつながらない」と考えている方が多いです。
これについては、半分同意します。つまり、「結局翻訳メモリなんて、使えない」という点には同意します。
逆に翻訳メモリがあることで、翻訳者にとってデメリットになる点は多々あります。
一番大きい点は、マッチ率に応じて、翻訳料金が支払われないことがある点です。
そして、「100%マッチ部分には触るな」と指示がある場合。これは翻訳者にとって最高に厄介です。
もちろん、「100%マッチ部分には触らないで。でも中身のチェックはお願いね。何かあったらコメント書いて。でも支払わないよ」というパターンは、翻訳者から文句しかでないのではないでしょうか。
もちろん、翻訳会社側で、翻訳メモリの整理をやっていないところがほとんどだと思いますので、結構目も当てれられない状態になっていることも多いです。
また、マッチ率は98%以上ぐらいでようやく参照するに値する程度であり、それ以下の場合は、翻訳支援ツールで表示される差分が表示されているものを参照するよりは、
インターネット上で無料で使用できるテキスト比較ツール「difff」を使用することが多いです。数年前に○保方さんのコピペ問題で話題になったツールです。
どうしても、翻訳支援ツールベンダーが、「翻訳メモリがあるから」という宣伝文句を使っているので、「翻訳メモリ」に気持ちが引っ張られてしまうのはよくよく理解できます。
でも、翻訳者側から見ると、「翻訳メモリ」はコーパス代わりとして使用するに過ぎず、私などに至っては、翻訳メモリの手入れすらしません。
もちろん、翻訳メモリを別に保存しておいて、それをプロジェクトに設定するなどの作業は行います。私がメインで担当している特許翻訳などは、同じ案件内に類似文が出てきますので、このような場合には翻訳メモリは有用です。
なので、一概に「翻訳メモリ」は不要と言っているわけでもありません。
ただ、「翻訳メモリ」を命綱にしてはいけませんし、そこに労力をかける必要もありません。
では、翻訳支援ツールを使うメリットは?
「翻訳支援ツールのメリット:バイリンガルファイルが作成できること」に記載したとおり、「原文と訳文を対訳形式」で表示できることです。
この点につきます。
この点については、KDCが開催している3つの翻訳支援ツールの中で、Tradosがダントツ使いやすいです。
このバイリンガルファイルの有用性によって、私が現状、Tradosをメインで使っている理由です(ちなみに、フィルタリング機能も重宝しています。フィルタリング機能で一番使いやすいのは「Memsource」です)。
バイリンガルファイルは、Wordで作成されますので、このWordの機能と上手く組み合わせることで非常に使い勝手がよくなります。
今年は、このバイリンガルファイルを使ったチェック方法について、セミナーを開催する予定ですので、楽しみにしてくださいね。
このバイリンガルファイルを使うことで、チェック作業が数段楽になります。
これができれば、もう数値の誤り等のみをチェックするチェッカーは不要なのでは?と思ってしまうほどです。
そして、この有用性を体験してみていただいて、翻訳メモリに頼ることが翻訳支援ツールを使うメリットではないことを実感していただけることと思います。
おわりに
「翻訳支援ツールを使用しない理由」にも記載していますが、
「翻訳支援ツールは効率アップ、品質アップの1つの手段に過ぎない」点については、重々頭に入れておいてくださいね。頭の片隅ではなく、中心に置いておいてください。
くれぐれも、これ1つで何でもできるようになると思わないでくださいね。
翻訳支援ツール初心者の方にとっては、何を言っているのかチンプンカンプンだと思います。それが普通です。
そのためにサポートコースを用意していますので、初心者だからと言って遠慮することなく、どんどん疑問点をお聞かせください。
「それはあまり考えなくてもいいですよ」「私はそれほど活用していません」などなど、細かい操作についてもお伝えすることができます。
テキストの紙面や動画だけでは伝わらない点などもお伝えしていますので、「トンチンカンな質問をしてごめんなさい」と思っていただく必要もありません。誰しも最初はそんなもんだと思っているので、こちらでわかる範囲でお答えします。
ただ、どうしてもエンジニアリング的なことについては、回答できないこともありますので、その点についてはご了承ください。
今年は、ぜひオンラインセミナーや、リアルセミナーを開催して、皆さんと実際にお話する機会も増やしていくことができればと考えています。
興味がある方は、ぜひ本講座のメルマガに登録しておいてくださいね。
その他受講前の疑問点にも、結構な長文でお答えしております(大島からは、「だいぶ長文回答に慣れてきた」との言葉ももらっています)。
何度もやり取りをして、あなたの疑問点を解決した上で受講するか否かを決定していただければと思います。